入居希望者が見ているのは「家賃」より「清潔感」と「安心感」

空室対策というと、まず家賃を下げることが検討されがちです。しかし入居希望者が本当に見ているのは、家賃だけではありません。「この部屋・この建物は、きちんと管理されているか」という清潔感と安心感です。ここが伴わなければ、家賃を下げても内見で選ばれず、選ばれても長く住んでもらえません。

入居希望者が「絶対条件」にしている項目

不動産情報サイトLIFULL HOME’Sが2025年の検索データをもとに発表した「住まい探しの絶対条件ランキング2026」を見ると、上位に来ているのは家賃そのものではなく、暮らしの条件です。

順位・傾向条件備考
1位バス・トイレ別前回調査から変わらず不動のトップ
2位駐車場あり特に地方エリアで支持
急上昇保証人不要前年から大幅にポイント増
急上昇二人入居可同上
急落南向き猛暑による冷房代への懸念から人気低下
急落追焚機能ガス代高騰・タイパ重視の影響

出典: https://www.renovebank.jp/staff-blog/収入が安定するアパート・マンションの共通点|-3

出典: https://lifull.com/news/48392/

家賃はもちろん比較されますが、それは「予算内に絞り込む」段階の話です。予算内の物件同士を比べたときに最後に決め手になるのは、設備や条件、そして次に挙げる「第一印象」です。

内見で無意識にチェックされている共用部

内見では、実は部屋そのものより先に、共用部で「管理されている建物かどうか」が判断されています。

場所見られているポイント
エントランス照明の明るさ、床の清潔さ
駐輪場整理整頓の状態
ゴミ置き場清潔に管理されているか
宅配ボックス設置の有無(利便性の印象)

内見者はこれらの場所を通りながら、無意識のうちに「この建物はきちんと管理されているか」を判断しています。清潔で整った共用部は「ここに住みたい」という気持ちを後押しし、逆に共用部が荒れていると、室内がどれだけきれいでもマイナスの印象を覆せません。

「内見で重視すること」と「住んでから後悔すること」は別物

内見時に決め手にしていることと、実際に住んでから後悔することが一致しないというデータもあります。ある内覧アンケート調査(500人対象)では、入居後に「注意すればよかった」と後悔した点の1位は遮音性・防音でした(回答者の16%)。一方で、内見の時点でそこを重視していた人はわずか11%です。内見中は会話をしていて物音に気づきにくく、住み始めてから初めて気になるためです。

つまり、入居希望者自身も「本当に確認すべきポイント」に内見の時点では気づけていません。ここに気づいて先回りできるかどうかが、入居後の満足度、ひいては退去を防げるかどうかを分けます。

出典: https://wakearipro.com/real-estate-preview/

家賃を下げても解決しない理由

清潔感や安心感、住んでからの快適さが伴わないまま家賃だけを下げると、二つの問題が起こります。一つは、そもそも内見で選ばれない(共用部の印象で離脱される)。もう一つは、選ばれて入居しても早期に退去され、また空室期間と原状回復費用がかかる、という悪循環です。空室対策は「募集時にどう見せるか」だけでなく、「入居後にどう住み続けてもらうか」まで含めて考える必要があります。

私たちが実際にやっていること

取り組み狙い
共用部の定期清掃・点検エントランス・駐輪場・ゴミ置き場の印象を常に良い状態に保つ
内見対応の質の作り込み写真・案内の段階で「管理されている安心感」を伝える
退去後の原状回復を迅速に対応空室期間を最小化し、次の入居希望者に良い状態で見せる
入居後のトラブル対応音や設備の不満を早期に把握し、退去を未然に防ぐ

こうした積み重ねの結果として、管理戸数199戸に対して入居率99.5%、家賃回収率100%という実績があります(宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士が在籍)。

家賃を下げて一時的に空室を埋めるだけでなく、建物の寿命と年間収益を伸ばす「生涯収益(LTV)」という考え方については、前回の記事でも詳しく解説しています。

よくある質問

Q. 空室が続いたら、まず家賃を下げるべきですか?

A. 家賃だけを見直す前に、共用部の印象や内見対応、写真の質を確認することをおすすめします。原因が管理面にある場合、家賃を下げても根本的な解決にはなりません。

Q. 設備をリニューアルした方がいいですか?

A. 設備も種類によって入居につながるものとそうでないもの、収入以上に維持費用が発生するものなどがあります。当社では、そもそも交換の必要があるかなど前提を確認しながら、オーナー様の収益につながる設備の提案をさせていただいております。

Q. 入居者の満足度は、空室対策とどう関係しますか?

A. 満足度が低いと早期退去につながり、また空室期間と原状回復費用が発生します。新規募集だけでなく、入居後の定着まで含めて考えることが、結果的に空室率を下げます。

Q. 共用部の管理は、どのくらいの頻度で行うべきですか?

A. 物件の規模や立地によって異なるため、一概には言えません。当社では管理する物件ごとに巡回・清掃の頻度を設計しています。

そんな管理会社に、任せてみませんか?

空室が埋まらない原因を家賃だけに求めると、本当の問題を見落とします。入居希望者が見ているのは、清潔感と「ここは管理されている」という安心感。そして住み始めてからの快適さです。この両方に向き合えるかどうかで、空室率は大きく変わります。ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。